東京都新宿区のNPO法人「やまびこ会」(今年3月に認証取り消し)が、架空の焼却炉販売事業で出資金をだまし取っていた事件で、同会による被害は、同事業など3つの架空事業で延べ約2000人、総額約23億円に上ることが16日、警視庁と広島県警の調べで分かった。
警視庁などは、元代表理事の松井明容疑者(62)(詐欺容疑で逮捕)らが、報酬の支払いが滞って出資者が騒がないよう、新たな架空事業をでっちあげていく“自転車操業”を繰り返していたとみて調べている。
警視庁などは16日、新たに同会幹部1人を逮捕、逮捕者は計5人となった。
調べによると、松井容疑者らは、やまびこ会がNPO法人の認証を受けてから8か月後の2000年5月から、架空の観光事業への出資者募集を始め、約340人から4億数千万円を集めた。02年8月からは、逮捕容疑となった架空の焼却炉販売事業への出資話で、約840人から総額約15億円を集めた。さらに03年5月からは、架空のキノコ類栽培・販売事業への出資話で、約900人から約4億円を集めていた。
(2005年6月16日 読売新聞より)
一生懸命に活動に取り組み、自分たちの夢を社会のために実現しようと日夜がんばっているNPO。しかし、その制度を悪用して、私服を肥やす連中もいることも悲しいかな事実です。
NPO法人は都道府県又は内閣府の認証によるものですが、公的機関がこの団体はいいことをやっている安心できる団体だとお墨付きを与えたのでありません。あくまでも制度にのっとり、認証しただけにすぎません。
いろんな活動を支援するために寄付を募るNPOは多いですが、寄付や出資することによってお金が儲かることは絶対にありません。寄付文化の根付いていない日本で、上記のような事件が再発する可能性はまだまだあります。
本当に頑張っているNPOやNPO法人が、悪徳NPOと同じ目で見られることは本当に悲しいことです。
出資や寄付を募られたり、高額な商品の購入を勧められたりしたら、先ずどんな団体か調べてください。また定款で、そのような事業をうたっているかどうか確かめてください。NPO法人は定款に記載されていない事業を行うことは法律で禁じられています。
上記の「やまびこ会」は17年3月23日に、特定非営利活動に係る事業を行うこと及び定款に定めのない事業を行わないこと等の改善命令に違反し、内閣府より認証を取り消されていました。
すべてのNPOが怪しいというわけではありませんが、金銭に絡むトラブルは絶対に避けたいものです。相手がどんな団体か、どんな活動をやっているかを知ることが、先ず大切です。
関連HP:内閣府 特定非営利活動法人設立の認証取消し |
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