上映作品

九州縦断ロードムービー

逃亡くそたわけ − 21才の夏

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【監督】本橋圭太
【出演】美波、吉沢悠、木下ほうか、我修院達也、榊英雄、高良健吾、中島浩二
ガッツ石松、田中麗奈、大杉漣
2007年/日本/カラー/1時間40分/配給:シネハウス

双極性障害を抱えた主人公二人が、博多の精神病院から逃げ出し、鹿児島まで珍道中を繰り広げる。九州各県の風景がゆったりと心を癒してくれる。宮崎市市街地でロケが敢行されている点にも注目。主役の美波は『バトルロワイアル』でデビュー。多岐にわたる才能を併せ持つ、今注目の女優である。一方の主役吉沢悠は、俳優のほか、ラジオパーソナリティーなど多方面にて活躍。芸名を本名と同じ"ひさし"にかえ、さらなる飛躍が期待されている。 原作は芥川賞作家絲山秋子の同名小説。監督はテレビの現場で経験をつみ、本作が劇場長編初作品となる本橋圭太。
現代の社会問題である"こころの病"に対して、正面から向き合うことの大切さを考えさせられる、新たな青春九州ロードムービーの誕生である。

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月 9日(土)10:20〜
 6月10日(日)10:20〜

●ゲストトークショー(予定)
 6月9日(土) 10:20〜
 【女優】美波 【俳優】吉沢悠

ちっぽけな大冒険

友だちのうちはどこ?  WHERE IS THE FRIEND'S HOME?

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【監督】アッバス・キアロスタミ
【出演】ババク・アハマッドプール、アハマッド・アハマッドプール
1987年/イラン/カラー/1時間25分/配給:ユーロスペース

遅刻をして、宿題を忘れ、先生に怒られて派手に泣いてしまう男の子。最近はトンと見なくなりましたが、こんな子、昔はよくいましたよね? 映画の冒頭、この見たような光景が映画に現れる。それもよくこんなに泣くなぁ、と感心するほどの大泣きである。ここでこの子供に同情したあなたはすでにアッバス・キアロスタミの掌中にある。なぜなら明日宿題を忘れると学校を辞めさせる、と子供は先生に約束させられるからだ。にもかかわらず宿題のノートは、なんと隣の机の友達のかばんに入っているのだ! さて貴方がそのノートを持ったその子の友達ならどうするか?しかし貴方はその子の家を知らない。そこからこの夢のような大冒険が始まる。イラン映画を世界に知らしめた奇跡の傑作!

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月 9日(土)13:00〜
 6月11日(月)10:30〜
 6月12日(火)12:20〜
 6月13日(水)14:30〜

オレを監視(スキャナー)しているオレがいる

スキャナー・ダークリー  A SCANNER DARKLY

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【監督】リチャード・リンクレイター
【出演】キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダー、ロバート・ダウニーJr. 、ウディ・ハレルソン
2006年/アメリカ/カラー/1時間40分/配給:ワーナー・ブラザーズ

アメリカの終わることない不毛な麻薬戦争は、テロの戦いと似た様相を帯びてきた。覆面麻薬捜査官のボブ・アークター(キアヌ・リーブス)は、命令に従い、友人のジム・バリス(ロバート・ダウニーJr.)エリン・ルックマン(ウディ・ハレルソン)、ドナ・ホーソーン(ウィノナ・ライダー)そしてチャールズ・フレック(ロリー・コクレイン)の偵察を開始する。しかし彼が自分自身に対する監視を命じられたとき、彼はアイデンティティや忠義の解読が不能な、不条理で被害妄想的な旅に出る事になる…。
「ブレードランナー」「マイノリティ・リポート」のフィリップ・K・ディック作『暗闇のスキャナー』を、「スクール・オブ・ロック」のリチャード・リンクレイター監督がデジタル・ペインティング手法を用いて映画化した近未来サスペンス。フィリップ・K・ディックの映画化作品にハズレなし!必見です。

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月 9日(土)14:35〜
 6月11日(月)16:30〜
 6月12日(火)18:50〜
 6月14日(木)10:30〜
 6月15日(金)12:20〜

新しい出会い、新しい生活。私は、ゆっくりと歩き出す

ママの遺したラヴソング  A Love Song for Bobby Long

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【監督】シェイニー・ゲイベル
【出演】スカーレット・ヨハンソン、ジョン・トラヴォルタ、ゲイブリエル・マック
2004年/アメリカ/カラー/2時間00分/配給:アスミック・エース

人生は最悪に思えた時にこそ、愛に包まれた思いがけない優しさを見せてくれる。気がつけばただ一日が終わっていくような、どうでもいい毎日の連続。そんなどうしようもない人生を送っていた少女パーシーの生活はある時、生きる楽しさで輝きだす。女性監督ならではの視点と感性で、人間味のある独特のゆったりとしたトーンを作り出している。ニューオーリンズの青空と風に揺れる濃い緑、何をするわけでもなく集まる仲間たちとの会話。一見無駄とも思えるその贅沢な時間が、登場人物達の再生とあいまって、晴れた日の午後のように心にじんわりと染み込む。そして言いようのない幸せな一時を与えてくれる。そして驚きのラスト。
人生の思いがけない優しさに爽やかな涙がこぼれ落ちる。

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月 9日(土)16:30〜
 6月11日(月)12:20〜
 6月12日(火)14:00〜
 6月13日(水)16:20〜
 6月14日(木)18:30〜

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品!!

麦の穂をゆらす風  The Wind That Shakes the Barley

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【監督】ケン・ローチ
【出演】キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム
2006年/アイルランド、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン/カラー/2時間6分/配給:シネカノン

1920年、アイルランド南部の町コーク。長期のイギリスの支配の下、アイルランドの人々の生活は苦しかった。その訳は、イギリス人の支配階級、イギリスに協力的なアイルランド人富裕層が、富と繁栄を独占していたからである。飢饉、立ち退き、貧困が市井の人々の宿命。彼らは、アイルランド独自の言葉=ゲール語を話すことを禁止されていた。そんな中、アイルランドの独立を求める人々の声が大きくなり、その動きを封じるため、イギリスから冷徹な武装警察隊“ブラック・アンド・ダンス”が送り込まれ・・・。
監督は、ドラマとドキュメンタリーを融合させたローチ独特のスタイル“ドキュドラマ”の基礎を築く、イギリス映画界の至宝ケン・ローチ。主人公デ ミアンを演じるのは、「パルムドールは彼の演技あってこそ」と、ケン・ローチ監督に言わしめた主演のキリアン・マーフィー。

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月 9日(土)18:45〜
 6月11日(月)18:30〜
 6月13日(水)10:30〜
 6月14日(木)12:30〜

日本初!!カラー映画

カルメン故郷に帰る

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【監督】木下恵介
【出演】高峰秀子、小林トシ子、井川邦子、佐野周二、笠智衆、佐田啓二
1951年/日本/1時間26分/配給:松竹

現実にストリップが芸術や否かという議論は今はおくことにする。しかしここにストリップを芸術だと確信し、それゆえに自分は芸術家だと信じてはばからない女がいる。彼女の名はリリー・カルメン。したがって家出少女であった彼女が、故郷の舞台に立つというのは彼女にとって凱旋帰郷に他ならない。しかし勿論、その実態はストリップである。なんというズレ!そのズレから巻き起こるてんやわんの大騒動!
主演は日本映画史上最高の女優・デコちゃんこと高峰秀子。監督は、日本的な叙情の表現に冴えを見せた木下恵介。本作もドタバタのコメディでありながら、そのはかとなく漂う余韻は屈指のものである。ところで同作は日本初の総天然色映画という触れ込みだが、カラーで公開されたのは東京・大阪などの大都市圏だけであるという。宮崎ではどうだったのだろう?ご存知の方が要ればご教示いただきたい。

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月10日(日)12:20〜
 6月12日(火)10:30〜
 6月13日(水)12:50〜
 6月14日(木)14:50〜

ヴィム・ヴェンダース監督が贈る、ロードムービーの傑作!!

パリ、テキサス  PARIS, TEXAS  Best Of the World 30th Anniversary

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【監督】ヴィム・ヴェンダース
【出演】ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、ディーン・ストックウェル
1984年/西ドイツ・フランス/2時間26分/配給:フランス映画社

「私は最後のアメリカ映画を作ったつもりだ」と『パリ、テキサス』の監督ヴィム・ヴェンダースは言った。そのヴェンダースの名を世界中にとどろかせた84年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。この作品を80年代のベストワンに推す人も多い。テキサス州パリに向かって旅をする一人の男。彼は4年間、弟夫婦に預けていた息子と会うために、そして失踪した妻の行方を追って旅をしている。再会した息子との失われた時間を徐々に取り戻していく一方で、妻とは思いがけぬ再会をする男。バラバラになった家族は再び元通りになるのだろうか。男は美しくも、しかしながら切ない選択をする…。
全編を通じて画面に描かれる蒼天の空と、随所に現れる鮮烈な赤が映画の画面を引き締め、ライ・クーダーのギターが主人公たちの心情を体現する。ロードムービーの最高傑作!

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月10日(日)14:00〜

見つけよう、それぞれの幸せ

ストロベリーショートケイクス  strawberry shortcakes

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【監督】矢崎仁司
【出演】池脇千鶴、中越典子、中村優子、岩瀬塔子、加瀬亮、安藤政信、高橋真唯
2005年/日本/カラー/2時間7分/配給:アップリンク、コムストック

魚喃(なななん)キリコのコミックを原作に、現代の都会を生きる若い4人の女性の日常を綴る大人の女性のための恋愛映画である。2年前の大失恋を乗り越えて、今はデリヘル店の電話番をしながら逞しく生きる里子(池脇千鶴)。同級生の菊池(安藤政信)に片思いを貫きながらデリヘル嬢としてプロに徹する秋代(中村優子)。プライドが高く、強く生きようとするがために過食と嘔吐を繰り返すイラストレーターの塔子(岩瀬塔子)。彼(加瀬亮)に愛されることでしか愛を確認できないOLのちひろ(中越典子)。矢崎仁司監督がこの4人の生き様を赤裸々なタッチで描いている。
脚本は第9回宮崎映画祭で来宮された、恋愛小説のカリスマ的作家である狗飼恭子が手掛けている。前向きなラストが印象深い作品である。

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月10日(日)16:50〜
 6月12日(火)16:20〜
 6月13日(水)18:40〜

伝説のインディペンデント映画

イン・ザ・スープ 15 thアニバーサリー・オリジナルカット  IN THE SOUP

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(C)film voice inc.

【監督】アレクサンダー・ロックウェル
【出演】スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル、ジェニファー・ビールス
1992年→2007年/日本・アメリカ/モノクロ/1時間33分/配給:フィルムヴォイス

ニューヨーク、冬。ある安アパートに、隣人のアンジェリカ、そして映画をこよなく愛する1人の青年アルドルフォは住んでいた。映画製作には程遠い貧しい日々。そんなある日、製作の援助を申し出るジョーと名乗る初老の男と出会う。製作資金調達を理由に犯罪の片棒を担がされたアルドルフォ。気が付けば“どつぼ=イン・ザ・スープ”にハマってさぁ大変。彼らの人生が大きく動き出した。犯罪、恋、夢、友情・・・それらが1つの鍋でコトコト。美しいモノクロ映像に俳優陣の好演が絶妙なスパイスを効かせれば、心あったか絶品スープの出来上がり。
92年にサンダンス・フィルム・フェスティバルでグランプリを受賞してから15年。アメリカン・インディーズ・フィルムの傑作が再びスクリーンに蘇る。栄養満点『イン・ザ・スープ』は劇場で召し上がれ!!

●上映日(宮崎キネマ館)
 6月10日(日)19:10〜
 6月11日(月)14:40〜
 6月14日(木)16:30〜
 6月15日(金)10:30〜

アメリカの悪夢

黒沢清の映画塾@ 『悪魔のいけにえ』 THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE

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【監督】トビー・フーパー
【出演】マリリン・バーンズ、ガンナー・ハンセン、エド・ニール
1974年/アメリカ/1時間24分

映画は社会を映す鏡であるという論がある。その言葉を信じるならば、それはアメリカから始まった。70年代。ベトナム戦争。テロル。激動する社会と価値観。広がる公民権運動。社会不安。鏡は現実を映す。鏡、それはこの映画のことだ。74年、『悪魔のいけにえ』は突如と出現して、アメリカ映画をあっさりと更新する。“horror picture”と世間は呼びはしたが、それは他に適当な言葉が見つからなかったに他ならぬ。以降、映画は夢から開放される。大いなる不安を持って。しかしそれこそが現実の様相なのであり、それゆえに現代の映画は全てこの作品の延長線上にある。

●講座1(宮崎キネマ館)
 6月15日(金)14:30〜

●映画塾講師 映画監督 黒沢清(予定)
※6月15日(金)10:00より宮崎キネマ館にて整理券配布(限定100枚)
※整理券は、映画祭のチケットをお持ちの方にお渡しします。
※映画塾@、映画塾Aは別々の整理券になります。
※映画塾@と映画塾Aの2作品をご覧になる方は、一般券が2枚必要になります。
  フリー券は1枚で大丈夫です。
※整理券は、映画塾@、映画塾Aともに同じ列で、1列でお渡しいたします。
※整理券は、お一人様最大2枚まで(映画塾@と映画塾Aの整理券を1枚ずつ)
  映画塾@を2枚というお渡し方しませんのでご注意ください。

“忘れ去られた過去”の恐怖

黒沢清の映画塾A 『叫(さけび)』 SAKEBI − Retribution

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(C)2006「叫」製作委員会

【監督】黒沢清
【出演】役所広司、小西真奈美、伊原剛志、葉月里緒奈、オダギリジョー、加瀬亮、平山広行
2006年/日本/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/1時間44分/配給:ザナドゥー+エイベックス・エンタテインメント+ファントム・フィルム

東京を舞台に発生した連続殺人事件。しかし、唯一、現場に残された指紋はその事件の担当刑事のものだった…。混乱する刑事の過去と記憶。当局からも追われつつ、ひとりで捜査するその刑事の前に迷宮と恐怖が襲い掛かる。そしてやがて明らかにされる意外な真相とは?
黒沢清監督が人間の生と死をテーマに、『CURE』『ドッペルゲンガー』主演の役所広司と再びタッグを組んだ07年日本映画の感動のベストワン!失われていく東京のさまざまな表情にも注目したい。

●講座2(宮崎キネマ館)
 6月15日(金)18:00〜

●映画塾講師 映画監督 黒沢清(予定)
※6月15日(金)10:00より宮崎キネマ館にて整理券配布(限定100枚)
※整理券は、映画祭のチケットをお持ちの方にお渡しします。
※映画塾@、映画塾Aは別々の整理券になります。
※映画塾@と映画塾Aの2作品をご覧になる方は、一般券が2枚必要になります。
  フリー券は1枚で大丈夫です。
※整理券は、映画塾@、映画塾Aともに同じ列で、1列でお渡しいたします。
※整理券は、お一人様最大2枚まで(映画塾@と映画塾Aの整理券を1枚ずつ)
  映画塾@を2枚というお渡し方しませんのでご注意ください。

安心して老いるために

終わりよければすべてよし  All’s Well that Ends Well

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(C)Jiyu Kobo Co., Ltd.

【監督】羽田澄子
2006年/日本/カラー/DVカム/2時間9分/配給:自由工房

終りよければすべてよし・・・物事は最後の仕上げがいちばん大切である。当然のことながら、私たちの“生”にもいつか終りがある。どこで誰とどうやって最後を迎えるか。私たちには選択する権利がある。現在日本では、81%の人が病院死。在宅死はわずか13%に過ぎない。この映画は、オーストラリアやスウェーデンの現状と共に、日本での先進的な在宅医療の現場を紹介した記録映画である。医療がどんなに進歩しようとも避けることはできない“死”。“生”を自分らしく終わらせるために。そんな問いを静かに語りかけてくる映画である。
『終りよければすべてよし』。この言葉の意味を噛み締め、考え、大いに議論するきっかけになればいいと思う。

●上映日(オルブライトホール)
 6月16日(土)10:00〜

●シンポジウム:「宮崎の終末期医療の現状と展望」

【監督】羽田澄子

【パネリスト】
 特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎
  理事長 市原美穂
 平和が丘ケアホーム
  施設長 吉村照代

20年後の恋する女たち

シネマ1987 20周年特別企画 『悲しき天使』

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【監督】大森一樹
【出演】高岡早紀、山本未來、河合美智子、筒井道隆、松岡俊介、岸部一徳、野波麻帆、松重豊
2006年/日本/カラー/ヴィスタ/ドルビーSR/1時間53分/製作:ツインズジャパン

ひとつの殺人事件を発端に、異なる境遇で生きている30代の女性3人の人生模様を切り取った大森一樹監督の新作である。殺人犯と思われる女(山本未來)を東京から追いかけて、昔の恋人(筒井道隆)とその妻(河合美智子)の住む別府の旅館で張り込む熟練刑事(岸部一徳)と若手女刑事(高岡早紀)がその真相に迫る。
「すかんぴんウォーク」を初めとする吉川晃司三部作や「恋する女たち」などの斉藤由貴三部作などで知られる大森一樹監督が女性達の生き様を鮮烈に描いた、20年後の「恋する女たち」とも言えるオリジナルストーリーである。韓国のミュージシャンRyuが歌うビートルズの名曲「悲しき天使Those Were The Days」が物語のラストに見事な余韻を残す。

●上映日(オルブライトホール)
 6月16日(土)14:00〜

●ゲストトークショー(予定)
【監督】大森一樹 【プロデューサー】原公男 【女優】河合美智子

みんな、想い出の唄がある

歌謡曲だよ、人生は

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(C)ALTAMIRA PICTURES / PONY CANYON / XANADEUX

【監督】磯村一路、蛭子能収、おさだたつや、片岡英子、七字幸久、タナカ・T、水谷俊之、三原光尋、宮島竜治、矢口史靖、山口晃二
【出演】妻夫木聡、伊藤歩、武田真治、余貴美子、宮史郎、マモル・マヌー、瀬戸朝香、高橋惠子、大杉漣
2006年/日本/カラー/2時間10分/配給:ザナドゥー

今や遠くにありけり「昭和」という時代を鮮やかに彩った歌謡曲をモチーフに、職業映画監督だけでなく、音楽、漫画、TV等の各分野で活躍する多彩な才能が紡ぎ出すオムニバス映画。平成の世になり日本の大衆音楽は「歌謡曲」から「J−POP」という名称に取って変わられ、主に若者のコミュニケーションツールとしての消費物に成り下がってしまった。当時、あれほど老若男女に親しまれた歌謡曲が今や忘れ去られているのだ。「東京ラプソディ」等の当時の世相と深くリンクしている名曲を妻夫木聡・武田真治といった現在のエンタテインメント界に欠かせない豪華出演陣が、豊かな感性でよみがえらせている。当時を知っている世代も、知らない世代も楽しめる「昭和歌謡トリュビュート活劇」が、宮崎映画祭のクロージングを務める。

●上映日(オルブライトホール)
 6月16日(土)17:00〜

●舞台挨拶(予定)
【監督】蛭子能収