私と小鳥と鈴と

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

― 金子みすゞ『金子みすゞ童謡全集』(JULA出版局)

今年のテーマについて

第31回宮崎映画祭は開催のテーマとして、童謡詩人である金子みすゞ(1903~1930)の「私と小鳥と鈴と」の中から一節を引かせていただきました。

第31回宮崎映画祭が取り上げることになる多種多様な時代の主題、表現を肯定したい、その思いから「みんなちがって、みんないい。」という一節を テーマにしたいと考えたのですが、ただこの一節だけが独り歩きをするような状況については私たちの本意ではありません。

平易な言葉で弱い者の立場から世界を照らし出す金子みすゞの童謡の魅力についてここで語り尽くすことはできませんが、 せめてテーマとなった「私と小鳥と鈴と」だけは全文挙げさせていただいて、その魅力の一端に触れていただければと思います。

最後になりましたが、この一節に使用許可をくださいました「金子みすゞ著作保存会」の方々に深く感謝をさせていただきます。 著者の精神に恥じないような映画祭を目指します。

(文責 宮崎映画祭実行委員会 代表 臼井省司)