1 特定非営利活動法人(NPO法人)の設立登記 |
特定非営利活動法人は、設立の認証後、2週間以内に主たる事務所所在地を管轄する
法務局で法人設立の登記手続を行い、完了した時に初めてNPO法人として成立したこと
になります。
なお、主たる事務所以外に従たる事務所が存在する場合は、従たる事務所所在地を管
轄する法務局でも登記する必要があります。
(1) 登記事項
ア 目的及び業務(定款の「目的」、「特定非営利活動の種類」、「特定非営利活動に係
る事業の種類」)
イ 名 称(登記できない文字や記号があるので注意を要する)
ウ 事務所(所在地番まで必要となる)
エ 代表権を有する者の氏名、住所及び資格(理事全員)
オ 存立時期又は解散の事由を定めたときは、その時期又は事由
カ 資産の総額(純資産の額。債務超過の場合は、「零円(債務超過額○○円)」)
(2) 登記に必要な書類
ア 登記申請書
イ 登記用紙(登記所に所定用紙備付)
ウ 印鑑届書(登記所に所定用紙備付)
エ 設立認証書の写し(原本照合)
オ 定款の写し(原本照合)
カ 役員の就任承諾書の写し(原本照合)
キ 設立当初の財産目録の写し(原本照合)
ク 代表者(理事長)個人の印鑑証明書
ケ 代理人によって申請する場合には、その権限を証する書面(委任状)
※ 手続の詳細については、必ず各法務局で確認してください。
(3) 県内の法務局(所管)
ア 宮崎地方法務局 0985(22)5124 (宮崎市、宮崎郡、東諸県郡)
イ 都城支局 0986(22)0490 (都城市、北諸県郡、西諸県郡)
ウ 延岡支局 0982(33)2179 (延岡市、西臼杵郡、北川町、北方町、北浦町)
エ 日南支局 0987(25)9125 (日南市、串間市、南那珂郡)
オ 日向支局 0982(52)2944 (日向市、門川町、東郷町、南郷村、西郷村、
北郷村、諸塚村、椎葉村)
カ 高鍋出張所 0983(23)0352 (西都市、児湯郡)
キ 小林出張所 0984(23)3211 (小林市、えびの市、西諸県郡) |
2 登記完了届出書の提出 |
法人設立登記後、遅滞なく下記の書類を知事に提出する必要があります。
(1) 登記完了届出書 (1部)
(2) 登記簿謄本 (1部)
(3) 登記簿謄本の写し (1部)
(4) 定 款 (2部)
(5) 設立当初の財産目録(2部) |
3 法人設立後の関係官公庁への届出 |
(1) 税金関係の届出先
ア 税務署
・ 税法上の収益事業を行う場合は、2か月以内に「収益事業開始届」を提出する
必要があります。
・ 給与を支払う場合は、1か月以内に「給与支払事務所の開設届出書」を提出す
る必要があります。
イ 都道府県税事務所
・ 事業を開始、又は事業所を設けた法人は、15日以内に「事業開始等申告書」を
提出する必要があります。
※ 詳細は、税務署や県税事務所、市町村の税務担当窓口に相談してください。
(2) 社会保険関係の届出先
ア 社会保険事務所
・ 従業員等のいる法人は、すべて社会保険の加入手続が必要となります。
手続に必要な書類等については、社会保険事務所の担当窓口で相談してください。
(3) 労働保険関係の届出先
ア 労働基準監督署
・ 従業員等のいる法人又は従業員を雇用する場合には、雇用から10日以内に「労災
保険」の加入手続が必要となります。
イ 公共職業安定署
・ 従業員等のいる法人又は従業員を雇用する場合には、雇用から10日以内に「雇用
保険」の加入手続が必要となります。
※ 手続に必要な書類等については、労働基準監督署や公共職業安定所の担当窓
口に相談してください。 |
4 法人格取得後の義務等 |
特定非営利活動法人は、法人格取得後、この法律やその他の法令及び定款の定めにし
たがって活動しなければならず、特に、次の点には留意が必要です。
法人設立後は、毎事業年度終了後の3か月以内に、事業報告書等の書類を遅滞なく知事
に提出しなければなりません。
また、毎事業年度終了後の2か月以内に、事務所の所在地を管轄する法務局で、資産総
額の変更の登記手続をしなければなりません。
ア 毎年、知事に提出する書類(すべて2部提出)
(ア) 報告する年度中に定款変更をしなかった場合
a 事業報告書等提出書
b 事業報告書
c 財産目録(報告年度の末日現在で作成。正味財産により登記変更が必要)
d 貸借対照表
e 収支計算書
f 役員名簿(前事業年度において役員であった者の氏名及び住所又は居所並びに
各役について報酬の有無を記載した名簿)
g 社員10名以上の氏名及び住所を記載した社員名簿
(イ) 報告する年度中に定款変更をした場合
a〜gに加えて下記h〜j
h 定款(定款の記載事項に変更があった場合)
i 定款変更に係る認証書の写し(定款変更の認証を受けた場合)
j 定款変更に係る登記簿謄本の写し
(定款変更により登記事項に変更があった場合)
※ 提出書類作成においては、事業内容を具体的に記載するとともに、会計に関する提出
書類については、計算間違い等がないように留意し、可能な限り詳細が分かるように
作成してください。
法人設立後の役員の変更や定款の変更、解散、合併等については、県(所轄庁)へ の申
請・届出、認証が必要となりますので、該当する事項が発生した場合は、遅滞なく県に必要
書類を提出しなければなりません。
なお、発生した事由により、登記事項の変更が必要な場合は、2週間以内に変更の登記
をしなければなりませんので、十分留意してください。
ア 役員の変更等の届出書類(すべて1部提出)
(ア) 役員の住所変更、改姓、改名、再任、任期満了、辞任、解任、死亡の場合
役員の変更等届出書
(イ) 役員の新任の場合
a 役員の変更等届出書
b 各役員が役員の欠格事由等に該当しないことを誓約し、並びに就任を承諾する
書面の謄本
c 住所又は居所を証する書面(住民票等)
※ 役員の変更は、すべて登記事項の変更が伴うことから、2週間以内に変更の登記
をしなければなりませんので、十分留意してください。
特に、役員の任期満了により、再任される場合も、2週間以内に重任の登記が必要となり
ますので、十分に留意してください。
なお、変更登記の手続については、事務所の所在地を管轄する法務局の指示に従い行っ
てください。
イ 定款変更の申請・届出書類(すべて1部提出)
(ア) 県(所轄庁)の認証が不要な軽微な定款変更
「所轄庁の変更を伴わない事務所の所在地の変更」、「資産に関する事項」及び
「公告の方法」のみが軽微な変更に該当します。
定款変更届出書
(イ) 県(所轄庁)の認証を受けなければ効力を生じない定款変更
上記以外の定款変更
a 定款変更認証申請書
b 定款変更を議決した総会の議事録の謄本
c 変更後の定款
d 定款の変更の日の属する事業年度及び翌事業年度の事業計画書(事業の変更を
伴う定款の変更の場合のみ)
e 定款の変更の日の属する事業年度及び翌事業年度の収支予算書(事業の変更を伴
う定款の変更の場合のみ)
※ 定款の変更により、登記事項の変更が伴う場合は、定款変更認証後、2週間以内
に変更の登記をしなければなりませんので、十分留意してください。
なお、変更登記の手続については、事務所の所在地を管轄する法務局の指示に従い行っ
てください。
(ウ) 解散・合併等の申請・届出
該当事由が発生した場合に県(所轄庁)に個別に相談してください。 |
5 納 税 |
特定非営利活動法人に対しては、1法人としていろいろな税金が課せられま
す。
ここでは、一部例を挙げていますが、その他の税が課される場合もありますので、詳細については、必ず、税務署や県税事務所、市町村の税務担当窓口に相談するようにしてください。
国税である法人税については、公益法人と同様に、法人税法に規定された「収益事業」 からの所得に対しては、課税されることとなりますが、それ以外の所得については、非課税となります。
地方税も、収益事業から生じた所得に対しては、課税されます。
また、法人住民税(均等割)は、所得の有無にかかわらず、原則として課税されます。
【法人税法上の収益事業
(法人税法第2条第13号、法人税法施行令第5条第1項)】
・販売業、製造業その他下記の事業で、継続して事業場を設けて営まれるもの
物品販売業
不動産販売業
金銭貸付業
物品貸付業
不動産貸付業
製造業
通信業
運送業
倉庫業
請負業
印刷業
出版業
写真業
席貸業
旅館業
料理店業その他の飲食店業
周旋業
代理業
仲立業
問屋業
鉱業
土石採取業
浴場業
理容業
美容業
興行業
遊技所業
遊覧所業
医療保健業
一定の技芸教授業等
駐車場業
信用保証業
無体財産権の提供等を行う事業
※ 特定非営利活動に係る事業であっても、法人税法上は、収益事業とみなされることがあります。
以下に、主要な税の税率等(平成16年4月1日現在)を掲げますが、詳細については、必ず担当機関に確認をしてください。
(1) 国 税
○ 法人税
年間所得800万円以下 22.0%
年間所得800万円超 30.0%
(2) 地方税
ア 道府県民税、市町村民税
(ア) 均等割は、地方公共団体内に事務所等を有する法人について課税されます。
○ 均等割の標準税額
道府県民税 20,000円
市町村民税 50,000〜60,000円
(イ) 法人税割は、収益事業から生じた所得に対して課された法人税を基礎に課税されます。
○ 法人税割の標準税率
道府県民税 法人税額の 5.0%
市町村民税 法人税額の12.3%
イ 事業税(道府県税)
事業税は、収益事業から生じた所得に対して課税されます。
○ 事業税の標準税率
年間所得400万円以下 5.0%
年間所得400万円超〜800万円以下 7.3%
年間所得800万円超 9.6%
|
特定非営利活動法人を設立するためには、法律に定められた書類を添付した申請書を
所轄庁に提出し、設立の認証を受けることが必要です。
提出された書類の一部は、受理した日から2か月間、公衆に縦覧されます。
所轄庁は、申請書の受理後4か月以内に認証又は不認証の決定を行い、設立の認証
後、登記することにより、法人として成立することになります。 |
6 認定NPO法人制度
|
特定非営利活動法人のうち、運営組織及び事業活動が適正であること並びに公益の増 進に資することについて一定の要件を満たすとして、国税庁長官の認定を受けたものに寄附をした者について、所得税・法人税・相続税の特例措置があります。
また、認定NPO法人自身についても、みなし寄附金制度等が適用されます。
詳細は、国税局又は税務署に確認してください。
(1) 対 象
一定の要件を満たすものとして国税庁長官の認定を受けた認定NPO法人
(2) 税制措置
ア 認定NPO法人に寄附した者に対する措置
寄附金に対し、所得控除(個人)・損金算入(法人)
相続財産等の寄附に関する相続税の課税価格の基礎への不算入
イ 認定NPO法人自身に対する措置
みなし寄附金制度の適用及び寄附金の損金算入限度額の拡大
【寄附金制度(概要)】(平成13年10月1日施行)
個人(所得税)
|
控除限度額
|
・国又は地方公共団体 ・指定寄附金 ・特定公益増進法人 ・政党等 ・認定NPO法人
|
合計[寄附金−1万円]まで所得控除可
(寄附金は所得金額の25%を限度)
|
法人(法人税等)
|
損金算入限度額
|
・一般寄附金
|
損金算入可(限度額有 ※1)
|
・特定公益増進法人
・認定NPO法人
|
一般寄附金と同額まで損金算入可
(一般寄附金とは別枠)
|
※1 資本等の金額の0.125%+所得の1.25%
(資本又は出資を有しない法人は所得の2.5%)
(注1) 法人の国税については、国又は地方公共団体への寄附金、指定寄附金は全額
損金算入可
(注2) 法人の地方税(法人住民税法人税割・法人事業税)については、国税の取扱い
が反映
|
個人(相続税)
|
相続税課税価格
|

|
・国又は地方公共団体
・特定の公益法人
・認定NPO法人
|
不算入
|
【みなし寄附金制度(注)】(平成15年4月1日施行)
|
認定NPO法人
|
寄附金の損金算入限度額
|
適用あり
|
所得の金額の20%
|
(注)収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出
した金額については、その収益事業に係る寄附金の額とみなす。
|
|
 |